読書ノート「心に静寂をつくる練習」

基本情報

  • 著者:吉田 典生(有限会社 ドリームコーチ・ドットコム代表)
  • 出版社: WAVE出版
  • 出版日:2016年6月17日
  • 読了日:2018年9月30日

概要

「SPACE(スペース)」。シリコンバレーでグローバルに活躍するビジネスリーダー達が口をそろえて唱えている言葉。「SPACE」とは、物理的にも心理的にも、しっかりと”立ち止まる空間”のことである。多忙で影響力の大きい人ほど、あわただしい日常の中で立ち止まって「心に静寂をつくる」ことを通し、集中力や柔軟性などを鍛えている。

ビジネスリーダーでなくとも、人間は1日に3万回以上も何らかの意思決定をしている。これは1日のまばたきの数(2万回弱)よりも多い。人間は意思決定の数が多くなると生産性やモチベーションが下がる。正しい判断(意思決定)を急ぐのを停止して「立ち止まる習慣」をつくり、問題解決ではなく、本当の問題に気づく力を養う。本書では、「立ち止まる習慣」づくりを通じて、ビジネスはもちろん人生に置いて重要である「心に静寂をつくる」ための様々な手法を紹介している。

印象に残った言葉や表現

脳をまばたきさせる

脳の視覚情報を司る部位が閉じることを「脳のまたばき」という。スマホの電源を切り、公園のベンチで景色を眺めながら10分間「ぼーっ」としてみる。すると精神が沈静化し、副交感神経が働き出し、脳の様々な場所が連動し始める。そして、ひらめきのようなことが起きやすい状態になる。

マルチタスクからシングルタスクへ

マルチタスクは仕事の効率を落とす。ロンドン大学の研究チームが「メールや電話によって気が散っているときのIQは、徹夜明けのときの数値とほんとんど同じである」という調査報告を発表している。いろいろなことを同時進行で行うのではなく、たったひとつの仕事に集中しながら、順次それを切り替えているスキルが必要。

短時間のデジタルデトックス

寝室にはスマホを持ち込まない、移動中に惰性でSNSやメールをチェックするのをやめるなど短時間のデジタルデトックスを試みるとよい。少なくとも就寝時、休日の一定時間は、スマホから離れる。オフラインの実施は、これから睡眠と同じくらい大事なことになってくる。

年2回ぐらいは完全な”STOPPING”を

忙しい日常の中で「心に静寂をつくる」ことは、なかなか難しい。年2回ほど、1週間程度の”立ち止まる時間”をつくる。立ち止まる方法は、あまり観光地化されていない大自然のある場所や聖地をめぐる、トレッキングや登山をする、テクノロジーと離れて数日間すごす、など。1日でも”オフライン状態”で自然の中にいると、自分の身体の状態や気になっている事柄などを、しっかり見つめることが出来る。

手が知恵を持っている

特に深刻ではないが、ヒントを見つけたい課題をひとつ設定して、何でもいいのでそれについてA4コピー用紙に手書きする。何も思いつかないのであれば、「何も思いつかない」と書けばよい。とにかく手を動かすことを優先する。これは「ジャーナルライティング」というワーク。そのうち、まるで手が知恵を持っているかのように、思わぬアイディアが浮かんでくる。

アクティブな動きがもたらす静寂

自然を舞台に身体をアクティブに動かす。脳科学的な観点からも世界的に注目されているのが野山を走る「トレイルラン」。大地が起伏に富んでいて土の状態が変化するので、身体だけでなく脳が膨大な情報処理をしている。これによって「いまこの瞬間に注意を向ける能力」が自然に鍛えられる。

不動心とは乱れ続けない心

作家で工学博士の田坂広志先生の言葉。座禅を始めたばかりの若者と永年禅寺で修行を積んだ禅師の脳波を比べると。座禅中の二人とも大きな音に対して脳波が乱れるが、若者はその後も乱れ続けるのに対し、禅師はすぐにもとの整然とした脳波に戻った。不動心とは「決して乱れない心」ではなく「乱れ続けない心」のことである。

感想

スマホやウェアラブル端末の普及によって、私達は常に何かと、誰かとつながり続ける生活を送っている。ちょっとした時間だけでも、それらから離れて「立ち止まる習慣」を作ろうと思う。手書きで一つの課題について、とにかく書きまくる「ジャーナルライティング」も試してみたい。

隙間時間を利用した呼吸法など、あらゆる機会を通して「心に静寂」を作る方法を紹介されており、忙しくなって、心が乱れているときこそ、開きたい本。

目次

  • 序章 結果を出しつづけるための静寂
  • 第1章 どんなに忙しくても立ち止まる練習
  • 第2章 眠っている身体の知性を磨く練習
  • 第3章 いつもザワザワしている心を照らす練習
  • 第4章 仕事の質を高める呼吸の練習
  • 第5章 ハードワークの渦中でも静寂とともにいる練習

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