読書ノート「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」

基本情報

  • 著者:アンドリュー・S・グローブ(元インテルCEO)
  • 訳者:小林 薫(国際経営評論家)
  • 出版社:日経BP社
  • 出版日:2017年1月16日(2017年2月3日 第1版第4刷)
  • 読了日:2018年12月4日

概要

チームのアウトプットを最大にするため、マネージャーは何をすべきか。元インテルCEOのアンドリュー・S・グローブ(2016年3月死去)が、マネージャーの役割やチームのあり方などから、チームの成果を最大にするマネジメントについて論じている。

印象に残った言葉や表現

テコ作用(レバレッジ)

チームのアウトプットの生産性を高めるためには、メンバーの仕事の生産性をより効率的にテコの原理のように高める必要がある。テコの原理とは、作業量を増やしたり、作業を速く進めるのではなく、仕事の性質を変えること。作業をオートメーション化したり、作業を簡素化し作業量を減らすなどの方法がある。

マネージャーのアウトプット=自分の組織のアウトプット+自分の影響力が及ぶ隣接組織のアウトプット

仕事はチームで行うもの。よって、そのチームを率いるマネージャー(管理職)のアウトプットは、自分の監督下・影響下にある組織体のアプトプットである。これはどれにも言える。例えば、マネージャーが高校の校長であれば、そのアウトプットは学校教育を終えた学生、マネージャーが外科医であれば、そのアウトプットは完全に回復した患者である。

ミーティングの重要性

マネージャーの仕事の大部分は、情報やノウハウの提供、意思決定や意思決定の援助であり、物事を処理する望ましい方法を自分の感じたとおりに、監督下にいる人々や影響下にあるグループに伝えることである。それらは、膝を交えてのミーティングを通じてのみ遂行できる。ミーティングには、マネージャーの役割に応じて、知識の共有化と情報交換が目的で定期的に開催される「プロセス中心のミーティング」、具体的な問題解決が目的で随時開催される「使命中心のミーティング」がある。

ワン・オン・ワンのミーティング

ワン・オン・ワン(一対一)は、プロセス中心のミーティングで、マネージャーと部下の間で一対一で実施され、仕事上の関係を維持する重要な方法である。その目的は、相互に教えたり、情報を交換したりすることにある。ワン・オン・ワンの頻度は、部下の特定の業務に対する習熟度が低ければ頻繁(週に1回など)に、経験に富んだベテランならばその回数を減らす(2、3週間に1回など)。ワン・オン・ワンは”部下の”ミーティングであり、その議題は部下が決めるべきもの。したがって、ミーティングのアウトラインの作成は部下にさせるべきである。

同僚グループ症候群

意思決定を行う際に同僚グループだけでミーティングを行うと、意思決定がスムーズに進まないことがある。グループの同僚の意見と異なる意見を述べることはグループに反対することにならないかと恐れるからである。このような場合には、同僚グループに加えて、上級者を出席させたり、同僚の中でその問題に最も深く関わっている人が責任者となるべきである。

意思決定における6つの質問

どのような意思決定をする必要があるのか?

それはいつ決めなければいけないのか?

誰が決めるのか?

意思決定をする前に相談する必要があるのは誰か?

その意思決定を承認あるいは否認するのは誰か?

その意思決定を知らせる必要がある人は誰か?

明日の問題を解決するために今日何をするべきか

今日のギャップを埋めるために、懸命に意思決定しようとしている人々があまりにも多い。しかし、今日のギャップは過去のいつかの時点で計画したときの失敗を表している。プランニングにおいて重要なことは、明日の問題を解決するために今日何をすべきかということ。

部下のモチベーションを上げる

モチベーションは人間の内部から発するもの。マネージャーにできることは、もともと動機づけのある人が活躍できる環境をつくること。何が人に仕事にさせるかはマズローの理論で説明できる。一連の欲求は、生理的欲求→安全/安定→親和/帰属→尊敬/承認→自己実現の順に、段階的に推移していく。マネージャーは部下が、現在、どの欲求段階にいるかで、部下の評価基準などを変えてやる必要がある。

感想

本書の導入において、会社(組織)を朝食を提供するレストランに例え、朝食(アウトプット)を最大限にするためには何が必要かについて論じている。この導入部分の例えが、とても分かりやすく、頭にスッと入ってきたので、途中で前ページを読み返すことなく、一気に読了できた。

インテルというとミーティングは全てメールやメッセンジャーなどで行っているイメージだったが、膝をつき合わせてのミーティングを重要視している点が意外であった。本書でも述べられているが、ここで書かれていることは数人のチームから大きな会社まで、経営トップから中間管理職まで適用できる。管理職の方は、机の傍らに置いて欲しい必読の書だと思う。

目次

  • 序文 ベン・ホロウィッツ
  • イントロダクション
  • 第1部 朝食工場――生産の基本原理
  • 1章 生産の基本
  • 2章 朝食工場を動かす
  • 第2部 経営管理はチーム・ゲームである
  • 3章 経営管理者のテコ作用
  • 4章 ミーティング──マネジャーにとっての大事な手段
  • 5章 決断、決断、また決断
  • 6章 プランニング画化──明日のアウトプットへの今日の行動
  • 第3部 チームの中のチーム
  • 7章 朝食工場の全国展開へ
  • 8章 ハイブリッド組織
  • 9章 二重所属制度
  • 10章 コントロール方式
  • 第4部 選手たち
  • 11章 スポーツとの対比
  • 12章 タスク習熟度
  • 13章 人事考課──裁判官兼陪審員としてのマネジャー
  • 14章 2つのむずかしい仕事
  • 15章 タスク関連フィードバックとしての報酬
  • 16章 なぜ教育訓練が上司の仕事なのか
  • 最後にもうひとつ─これからの行動指針チェック・リスト

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