読書ノート「農業のマーケティング教科書〜食と農の美味しいつなぎかた〜」

基本情報

  • 著者:岩崎 邦彦(静岡県立大学経営情報学部教授)
  • 出版社:日本経済新聞社
  • 出版日:2017年11月2日
  • 読了日:2019年6月26日

概要

うまくいっている農家は何が違うのか?

生活者は何を求めているのか?

6次産業化成功の秘訣は?

全国調査から見えてきた「食」と「農」を結ぶ道。

印象に残った言葉や表現

農業のマーケティングとは

農業のマーケティングとは、「農」と「食」をつなぎ、顧客を生み出す活動。マーケティングとは、「顧客を創造する活動」であり、そのために農業においては農と食をつなぐことが欠かせない。

「食べるもの」の記念日が普及しない理由

「お米の日」や「野菜の日」に普段より米や野菜を食べたくなることはない。食べ物の記念日が普及していないのは、「モノ」を訴求しているだけで「価値」を訴求していないから。モノを訴求されても、消費者は食べる理由や買う理由を見つけにくい。母の日に「カーネーションを買いましょう」よりも「お母さんへ感謝の気持ちを贈りましょう」の方が心に響く。

ブランド力を評価する方法

ブランドは「マーケティングにおける最大の武器」とも言われる。ブランド力を評価する方法として名前の後ろに「らしさ」という言葉をつけてみる。地域ブランドとして「北海道らしさ」は、「大自然」「食」「美味しそう」という言葉、「京都らしさ」は、「和」「歴史」「伝統」など、具体的な言葉を消費者は想起できる。「埼玉らしさ」「栃木らしさ」から頭にイメージが浮かぶか…

知名度や品質を高め、広告宣伝費をかけてもブランドにはならない

知っていても、それを食べたい、買いたいとは限らない。品質・安全安心は、ブランドの土台になるもので、それだけではブランドにはならない。また、お金をかけて広告し、知名度を高めても、ブランド力が上がるわけではない。強いブランドは、口コミ、メディアによる報道で生まれることが多い。顧客が顧客を呼び、メディアが顧客を呼び、ブランドが生まれるというメカニズム。

「手間がかかる」「大変だ」がブランドと相性が良い

ブランドの成功事例を作り、それを地域にヨコ展開という発想は危険。ヨコ展開できるということは、真似されやすいということ。「手間がかかる」「苦労する」「面倒だ」「効率が悪い」「大変だ」という言葉が、ブランドづくりと相性が良い。それは真似されないということを意味している。

ロングセラー商品はおいしすぎない?

全国の消費者に「ポッキー」「チキンラーメン」「カップヌードル」の美味しさを評価してもらったところ、「やや美味しい」という回答が最も多かった。「とても美味しい」と回答した消費者は、1割程度に過ぎなかった。美味しすぎるの一歩手前が、また食べたいと思える。究極のおいしさはロングセラーになりにくい。。究極は飽きがきやすい。

感想

農産物、加工品のブランド化にページの多くが使われている。よくあるマーケティング本では「じゃあ結局どう実践するの?」という内容が多いが、具体の事例を引き合いにして、個人事業主でもすぐに実践できる内容。農業に関わる人だけでなく、マーケティングを学びたい人の、入門書的な使い方もできると思う。

目次

  • 第1章 農業を再定義しよう
  • 第2章 農業にマーケティング発想を
  • 第3章 品質を決めるのは消費者である
  • 第4章 うまくいっている農家にはどのような特徴があるのか
  • 第5章 どうやって強いブランドをつくるか
  • 第6章 「違い」が価値になる
  • 第7章 どうすれば六次産業化は成功するのか
  • 第8章 農業の体験価値を伝えよう
  • 第9章 さあ、前に踏み出そう!

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